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No.2 牛の「顔色」… 読めていますか?

2022/11/09(水)


 氷点下の朝が珍しくなくなりました。担当している育成前期の牛群では、軽く咳き込む牛が増えています。呼吸器系疾病(多分、マイコプラズマの仕業)の予防と、対処療法としてCTC散(クロルテトラサイクリン:抗生物質)を餌にかけています。中には、呼吸が荒く食欲がない個体も。この時点で、熱が高いかどうかを見極め、治療の必要性について判断しなければ手遅れになることも。

発熱の有無を外貌で判断する場合、目の周辺に注目します。ほかの部位に比べ皮膚が薄く、この部位の体温が直腸温に近いからです。人の場合、熱が出ると鳥肌が立ちますが、牛も同じで、発熱すると目の周辺の毛が逆立ち、表情が変わって見えます。ホルスタインでも和牛でも同じです。ジャージーやブラウンスイス、ノルマンディーなど、発熱していても落込みが少ない牛であっても、「顔色」から熱の有無を推し量ることができます。

 牛の顔色を読むことは、これからの季節とても大切になります。そして、普段から恋人や奥さんの顔色をしっかり読んで、無用の諍いを起こさないことが、世の男性に大切なのは言うまでもありません。

声なき声を感じるということは、優しい気持ちが必要です。厳しい時にこそ、優しさに裏打ちされた「強さ」が必要だと思うのは私だけなのでしょうか。