トップページ > お知らせ一覧 > No.6 「ぽんぽんゆ」のこと その③

No.6 「ぽんぽんゆ」のこと その③

2022/12/15(木)


 127日の北海道新聞が、紋別市観光室長の逮捕を報じました。紋別市が進める「避暑地化」構想をめぐり、構想の基本計画を策定する委託業者を選ぶ公募型プロポーザル(事業提案)の審査で、特定の業者に有利になるよう便宜を図った見返りとして現金18万円を受け取った「受託収賄」容疑によるものです。

標茶町の場合、公募型プロポーザルについて、記憶に残るのは「クリーンセンター」と「憩の家かや沼」に関する指定管理の2件です。一般競争入札や指名競争入札のように金額による選考ではないため、選考基準も含めて選考過程の透明性を確保することが重要になります。

紋別市の場合、公募に際して「市内に事業の拠点がある」ことを条件とし、応募者に対して門戸を狭めることが特定の業者に有利に働きました。その結果、応募が贈賄(容疑)側の1社のみとなり事業を受託しました。

憩の家の指定管理者選考では、応募要件を緩和することで法人格を持たないグループ(任意団体)が応募できるようにしました。やはり町内4社で構成する永寿優企画というグループ(任意団体)のみが応募し、審査のうえ指定管理者に選定されたのです。

しかし、126日、定例町議会において「永寿優企画」から町に対して、122日付けで憩の家の指定管理者を辞退する書面が提出されていたことが判明。「永寿優企画」が指定管理者に選定されたのは、およそ二年前のこと。実際に管理運営する場合、任意団体のままでは不都合もあるため早急に法人格を取得し、再度議会で議決することとなっていました。

町は、指定管理者の法人化について進捗状況が問われるたびに「確約を得ている」旨答弁してきました。また町は、指定管理料について赤字補填も含めた額を支払うとするなど、破格の条件も提示していました。「永寿優企画」には憩の家が休業した時点から再開に協力を申し出ていた企業も含まれており、十分な意思疎通、十分な時間があったはずです。

 辞退の理由については、「新型コロナウイルスの蔓延が影響したかも知れない」とされていますが、むしろ温泉の排出先が決まらないことの影響が大きいかも知れません。コロナ禍によって国内観光の先行きが不透明なことや、中国のゼロコロナ政策など状況は指定管理者決定時と何ら変わっていないのですから。

それにもかかわらず、町、そして憩の家の改修を積極的に進めた関係者の目には、明るい未来しか見えていなかったということでしょうか。ピルカとうろ破綻の教訓には目をつぶったということでしょうか。再度指定管理者を公募するようですが、町が直営する可能性が高くなったと感じます。それでも、再開の準備は進みます。

9600万円相当の備品購入に町内業者が関わる可能性はあるのでしょうか。設計コンセプトを理由に「ぽんぽんゆ」命名者であるデザイナーの関連企業から購入するのでは?ともいわれていますが・・・